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「鳩三郎」が「鳩サブレー」になったという逸話

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振り返りで鎌倉の文化を調べていたら、面白いエピソードに出会った。
鎌倉の銘菓「鳩サブレー」。実は「鳩サブレー」は「鳩三郎」だった、という話題。

販売元の豊島屋のホームページに、その詳細が書かれている。

 

・店を開いて間もない1897年ごろのこと。初代は、たまたま来店した外国人からビスケットをもらった。

・初代は「これからの日本の子供さん達に喜ばれるのはこれだ!」とひらめき、試作を繰り返し日本人に親しみやすい味に近づけた。

・この試作が出来上った頃のある日、欧州航路から帰国したばかりの船長さんに試作品を食べてもらったところ、「コイツはわしがフランスで食ったサブレーちゅう菓子に似とるゾ」といわれた。初代はこの「サブレー」と云う語呂に、先ずは「三郎(サブロー)」の類似点を感じ、親しみを抱いたそうだ。さらに鶴岡八幡宮を崇敬していた初代が、八幡宮の本殿の掲額の(ハ)の字が鳩の抱き合わせになっていること、境内にたくさんの鳩がいることから、当初のネーミングは”鳩三郎”に決めたそうだ。

 

鳩サブレーのネーミングには、こんないきさつがあったとは感慨深い。一方、時代は明治。当時、鳩サブレーのようなお菓子は当時の日本人にしては異質の味。馴染のない味から犬の餌になっていたのを見たそうだ。何と悲しいことか。

しかし初代は挫けなかった。かねがね一つのものを売り込むには十年はかかる、世に「名物にうまいものなし」と味の追求をし続けたというのだから、明治人の気骨、進取の気性には胸を熱くするものを感じた。

 

ちなみにサブレ―とは、ビスケットの一種。ビスケットの多くはバターまたはショートニングと薄力粉の配合比率を1:2の割合を目安に作るが、サブレーはほぼ1:1で作ることにより、バターの風味が強く、サクサクとした軽い食感をもつことが特徴になる。

何気にお土産で食べていた鳩サブレ―。深ーい歴史とドラマがあったんだね。

 

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