その瞬間を切り撮る

旅とカメラの話題。「いいね」の瞬間を記憶だけではなくデジタルデータに残したい

奄美は今日も雨だった

奄美の黒うさぎと大島紬。AIで生成

家族の所用で九州・鹿児島市にいく予定ができたので、その足をのばし「奄美大島」に初上陸。
「奄美大島」は鹿児島県に属するといえど、本土から400km離れた南の島。とはいえ沖縄とは違い、整備された人工的な施設は少なく、マングローブ原生林や手つかずのビーチなど、島本来の豊かな自然に包まれた島というのが僕の印象。

本日の話題は、そんな奄美の魅力を自分なりの感覚で言語化。少しでも奄美について伝わったら嬉しいです。

 

■鹿児島の蕎麦はやっぱり鹿児島テイストだった

最初に鹿児島の話題を少しだけ。

鹿児島の蕎麦汁が関東と大違いなのは、「圧倒的な甘さ」。
汁が関東の茶褐色でキリッとした辛口(醤油と鰹節)に対し、鹿児島では薄く甘口の醤油がベースとなり、砂糖やみりんをたっぷり加えて、甘くコク深い味付けに仕立てられている。

ローカルの味は、「黒豚しゃぶしゃぶ」だけではないので、ぜひ「鹿児島のお蕎麦」をお試しあれ。

 

そば茶屋 吹上庵 天文館店
鹿児島県鹿児島市東千石町11−6

 

■連日、災害警報級の大雨の洗礼

さて、ここからが奄美のお話し。タイトルどおり、奄美滞在中は連日の大雨(泣)。

「レベル4土砂災害危険警報」が報じられ、原生林トレッキングツアーやマングローブカヌーで探検といったツアーは安全のため直前中止に。

そこで、次回リベンジ訪問に向けたロケハン(島めぐり)を主軸に置いた臨機応変の行程に変更した。

 

■雨でも楽しめる施設めぐり

奄美といったら最高級の絹織物といわれる「大島紬」。
大島紬の最大の特徴である深い黒色は、奄美大島の自然(植物・泥)が生み出していること。

柄は、あらかじめ染め分けた糸を計算通りに織り上げることで緻密な模様(龍郷柄など)を表現。
1ミリにも満たない細かな絣模様を手作業で合わせながら織り上げていくため、気の遠くなるような時間と熟練の職人技で仕上げていることに感動すら覚えた。

少子高齢化の日本。この貴重な伝統を未来にどう紡いでいくのか心配になっちゃいますね。

奄美大島紬村
鹿児島県大島郡龍郷町赤尾木

 

「奄美大島世界遺産センター」は、奄美の深い森を歩いているような体験ができる無料のミュージアム。
外は大雨でも館内ではリアルなジオラマやプロジェクションマッピングなどを通じて奄美の雄大な自然を館内で体験できる。

奄美大島世界遺産センター
鹿児島県奄美市住用町石原467番1

 

宮古島のシュノーケリングでウミガメと直に触れ合って以降、特別な感情がある。そのかわいいウミガメに直接エサをあげて癒されることができる、といったら「奄美海洋展示館」。
施設に入るとすぐ目の前に大きな水槽があり、ウミガメたちがのんびりと泳いでいる。
梅雨時期のオフシーズンとあって観光客は数組と貸し切り状況。スタッフから直接もらえるレタス(無料)を手からパクッと食べてくれる姿は、見ているだけでも大きな癒やしになった。

奄美海洋展示館
鹿児島県奄美市名瀬小宿大浜

 

■奄美だけで味わえる美味しさへの感動

奄美の郷土料理といったら「鶏飯(けいはん)」。
奄美大島のホテル朝食では、郷土料理の「鶏飯」が定番なのが嬉しい。
蒸し鶏、錦糸卵、椎茸などの具材をご飯に盛り付け、黄金色の鶏ガラスープをたっぷりかけてサラサラといただくスタイルは、朝の体に染み渡る最高の味わい!

 

奄美の老舗「高野豆腐店」が手がける島豆腐は、透明度抜群の奄美の海水から採れたミネラル豊富な「にがり」と厳選された国産大豆で作られているのが魅力。
同店が経営する「島とうふ屋」では、豆腐ハンバーグや湯豆腐、豆腐の挟み揚げなど、多彩な豆腐料理が楽しめた。
人気店なので、ランチ時は平日でも席待ちの覚悟は必須。

島とうふ屋
鹿児島県大島郡龍郷町中勝1561-1

 

メロンパンの概念を覆されます。それは「パン工房 麦の実(龍郷店)」の石窯メロンパン。
外側は薄くてサクサク、中は空気のようにふんわり軽い食感が特徴です。あまりの軽さから「トングで掴むと潰れてしまう」ほど柔らかく、砂糖のザラザラとした食感と優しい甘さが絶妙なバランスが素晴らしい。

麦の実
鹿児島県大島郡龍郷町中勝2840

 

養鶏場を営む自社ブランドの新鮮な「みなみくんの卵」を贅沢に使用した濃厚でなめらかなカスタードクリームと、注文を受けてから注入されるサクサク食感の皮の組み合わせがクセになる味。
ホールで売っていたロールケーキは次回、まるごと一本買う予定。

こっこ屋
鹿児島県大島郡龍郷町中勝2878-1

 

奄美大島のディープなうどんは、郷土の「塩豚(豚骨)」を煮込んだ出汁をうどんの汁に活用した、コク深く旨味が凝縮されたローカルグルメ。
おばちゃんにおすすめは何?といったら「肉うどん」だよ、と言われてオーダーした。それはソーキそばを彷彿するビジュアル。鹿児島の蕎麦とならび、麵好きならぜひ奄美で食べて欲しい一品。

 

■贅沢な大人の時間を楽しむ

奄美最後の宿はちょいと奮発して「ティダムーン」に泊まった。
ディナー付プランでお値段は張るが、抜群の眺望、細部まで心地よいホスピタリティ、極上の食事、すべてが完璧なリゾートホテル。
窓に広がる海を眺めながら、島の豊かな味覚に酔いしれる贅沢な時間を費やした。

■息をのむような美しい景色に出会う

「奄美大島」は、世界自然遺産に登録された太古の森が織りなす非日常の絶景が魅力。車を止めて、フロントガラス越しにじっと見つめたマングローブの原生林。
晴れの日には出会えない、霧に煙る神秘的な緑のレイヤーは、最高のロケハン写真になった。

最終日の朝、それまでの大雨が嘘のように雨が上がり、雲の隙間から優しい光が差し込んできた。
目の前に広がったのは、息をのむほど美しいエメラルドグリーンの海と白い砂浜。
雨の日を全力で楽しんだ私たちへの、島からの最高のご褒美かもね。

最後に、今回の旅の相棒は新たな機材、ソニーα7cⅱとレンズはSAMYANG AF 35mm F1.8 FE という圧倒的な機動力を誇るシステム。
明るい開放F値により大きな美しいボケ味を生み出せるのが最大の魅力。街歩きやテーブルフォト、ポートレート撮影まで難なくこなす万能選手。旅はお気軽に単焦点レンズ1本でいいかなぁーを強く意識づけられた。

 

Enjoy!

 

SONYで描くFUJIの青。α7ⅱ片手に大人の1泊2日熱海エモ旅

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「東京から特急踊り子号で90分(新幹線なら45分!)でいける最高のリフレッシュ旅」として、熱海を1泊2日で大満喫してきました。

実は、今回の旅には裏テーマがありまして「ソニーのカメラでFUJIのフィルム感を再現するストリートスナップ旅」。
昭和レトロと最先端のSNS映えが共存する熱海は、ファインダーをのぞくだけでワクワクする最高の街でした。

 

なぜ、いま「熱海」が熱いのか?

一時は「寂れた温泉街」の代名詞だった熱海ですが、いまや若者を中心に人気爆発中のスポット。その理由は、新旧のカルチャーが混ざり合う圧倒的な被写体の多さにあります。
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SNS映えするおしゃれなスイーツショップがある一方で、時が止まったかのような昭和レトロな街並みがそのまま残っている。この「新旧のギャップ」、「混在」が、スナップ好きにはたまらないご馳走なんです。
とりわけ熱海スナップで絶対にハズせないのが、海岸通り沿いにある純喫茶「サンバード」。
今回は外観のみの撮影でしたが、その佇まいだけで圧倒的な存在感を放っていました。
昭和50年代からそのまま時を止めたような、どこか懐かしいフォントの看板。
全面ガラス張りの窓からは、熱海の海が一望できる特等席が広がっているのが外からでも分かります。
「今回は時間がなくて入れなかったけれど、次はあの窓際の席で、海を眺めながらクリームソーダを絶対に飲む…!」そう心に誓わずにはいられない、旅人の好奇心を激しくくすぐるお店でした。
 
今回の1泊2日ストリートスナップ&スパ旅プラン

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列車の窓から流れる景色を見ながら、旅の始まりに胸を躍らせます。

 

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熱海駅に到着後、カメラを片手に商店街(平和通り・仲見世通り)を歩きます。
見てください、行き交う人々の日常。
単焦点レンズTTArtisan 40mmの絶妙な画角と、FUJI 400H風の淡い発色が重なり。
まるで映画のワンシーンのような空気感を切り撮ることができました。


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チェックインまでの時間は、冬に訪れて一目惚れした「Fuua」へ。
海と一体化できる日本最大級の露天立ち湯につかり、岩盤浴でデトックス。日々の疲れが完全に溶け出します。

 

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お宿は前回同様、この熱海後楽園ホテルの「アクアスクエア」。
部屋のドアを開けた瞬間、目の前に広がるのは、言葉を失うほどの圧巻のオーシャンビュー!風に揺れる白いカーテン、テラスに落ちる美しい影のライン、そしてどこまでも突き抜けるような青い海と空。

FUJI 400Hシミュレーションの透明感あるブルーが、この開放感を何倍にも引き立ててくれます。

 

まとめ:カメラと温泉好きにはたまらない街

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熱海は、レンズを通して見るとさらに愛おしさが倍増する街でした。

α7ⅱのピクチャープロファイルをいじくった「FUJI400Hルック」は実践を通じて有効確認できたのは大満足です(ラスト1枚が今回もっとも好き)。

お気に入りのカメラ設定を見つけて、疲れたら極上の温泉で癒やされる……そんな大人の贅沢旅に、あなたも出かけてみませんか?

 

Enjoy!

 

新宿の夜はYOUだらけだった

リード画像はAIでイメージ生成

久しぶりに会う友人と夜の新宿で食事をしてきました。

何を隠そう、若かれしころ新宿区民だった身でしたが、夜の新宿をぶらり散歩するのはホント数十年ぶり。ちょうど、スナップシューターα5100を持っていたので、その瞬間を切り撮ってみた、というのが本日のお話し。

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新宿駅から合流先の居酒屋までの間、ちょっと気になった場所にレンズを向けた。絵になるような場所が多いなぁ。

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お店は新宿三丁目にある「魚や一丁 新宿三光町店」。都営新宿線新宿三丁目の出口に直結しているお店なので、雨が降っても濡れずに入店できます。

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2軒目に向かったのは、ジャズ写真家の中平穂積氏が1967年にオープンさせた東京・新宿の伝説的なジャズバー「DUG(ダグ)」。村上春樹の小説『ノルウェーの森』の舞台としても有名で、世界中のジャズファンに愛されてきました。
しかし、悲しいことに入居するビルの解体に伴い2026年6月27日をもって閉店。そのニュースを聞きつけ、立ち寄ったんですが、世界中からファンが押し寄せている状況で入店は困難。
JBL LE8Tが壁面に埋め込まれ、真空管アンプでドライブされるクリアなサウンド、、、、寂しいですね。

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DUGの入店待ちのお客様の8割はYOU(外国人)。その後、新宿駅まで歩く途中で多くのYOUに遭遇しました。「あれ?ここ日本だよね」と一瞬思うくらい通りにはインバウンドが多い。調べてみたら訪日外国人の 57.4% が新宿を訪れるそうですよ。たくさん、お金を落としていってくださーい。
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こういった写真が撮れるのはミラーレスの強み。いいですねぇ。

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新宿駅東口、クロス新宿ビジョンに住む巨大な3D猫さまもインバウンドの皆様に人気のようで。早いもんで、もう5周年を迎えたそうです。

というわけで、久々の新宿の夜は、インバウンドYOUがごったがえす、まるで異国のような場所でした。
カメラを趣味にしている方でしたら、この雰囲気を撮るだけで十分に楽しめると思いますよ。

 

Enjoy!

 

 

続々:ピクチャープロファイルを活用してエモい写真を撮る

FUJIFILM 400 36枚撮り

ソニー機のピクチャープロファイルをいじくって、フィルムシミュレーションをしてみるというお話しになります。

続々の今回は、FUJI400。

「フジカラー」伝統の爽やかな青と緑の透明感と、汎用性の高い自然な色再現が特徴とされ、クセが少なく、日常使いからポートレートまで幅広いシーンで安定した描写力が魅力です。

さて、「フジフィルムといえば青と緑」と言われます。ソニー機の撮って出しで空の青や木々の緑が非常に美しく、爽やかに表現できるでしょうか?

 

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このルックの結論は、FUJI 400の特徴である「清涼感のあるシアン・スカイブルー寄りの青空」、および「黄みを排除した上品な新緑の表現」を見た目以上に再現できた思いました。

特徴はソニー機にありがちな「ベタッとした重い原色」が完全に払拭され、フィルム独自の「軽やかで空気を含んだような色彩」です。ただ、前回のKodakシミュレーションと比べ、色ノリがやや濃くコントラストが高めなので、「風景」など被写体は選ぶかなぁー、が撮影を通じた所感です。

最後に、お遊びでRAWデータをもとに思いっきりハイキーに振り、かつ、フェードを強めにかけて現像してみました。本物のFUJI 400が持つ「露出オーバー(明るめ)に振った時の、より淡いパステル調・フェード感」ぽさ。何となく再現できてますかね?
XXXルックのベース(引き出し)があると微調整で表現の幅が広がります。

Enjoy!

 

続編:ピクチャープロファイルを活用してエモい写真を撮る

色調(カラーサイエンス)をいじれる「ピクチャープロファイル(PP)」の可能性にハマってます。

前回のお話はローキーでどこかノスタルジックは「Inei」。
本日は、これとは逆ベクトル、鮮やかだけれども、ソニー機の色ではない、色調にチャレンジしてみました。

 

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カメラはα7ⅱ+40mm単焦点レンズ、PPパラメータ値はリバーサルフィルムをシミュレート、JPEG撮って出し。

 

一言で今回の色調を言い表すと(私的所感ですが)「PENTAXカラー」。ペンタックスの絵作りは、ただ派手なだけではなく、コントラストが高くありながらも透明感を失わない質感が特徴です。

  • サツキのピンクがネオンのように浮くことなく、花びらの質感を残したまま「こってり」と濃く発色している感じ。
  • 青空を写したときに肉眼よりもさらに深い、印象的なコバルトブルー
  • ペンタックスのカメラ(カスタムイメージの「風景」や「雅(MIYABI)」など)は、「青みと深みのある、生っぽくない美しい緑」の表現

別にPENTAXカラーを模倣したわけでなく、「リバーサルフィルム」をシミュレーションした結果、このようになりました。

いずれにせよ、SONYカラーとは全然違う、いや、違いすぎる。。。
ピクチャープロファイルを静止画でも活用しないのはもったいない、と思うのは私だけ?

 

Enjoy!

 

RX100M7でエモい写真は撮れるのか?

 

「エモい写真が手間なくとれる?」というと、パッと最初に思い浮かぶのがフジフィルムのカメラ。
フィルムメーカーとしての歴史を背景にその独自の色味(カラーサイエンス)が若者や写真愛好家から絶大の支持を得ています。

一方、僕が所有するカメラは、コンデジ(RX100M7)からフルサイズ(α7ⅲ、α7Cⅱ)までソニー一色。
こちらの色味というと、忠実で現代的なトーン。
色編集の自由度が高いので、RAW現像や動画編集時に幅広い色調整がしやすいのですが、すぐ作品としてSNSに共有するといった手軽さには欠けるのが悩みのひとつ。

ということで、本日は「色味(カラーサイエンス)」の話し
RX100M7を実験機にどこまで、エモい写真をとって出しできるのか、試行錯誤中の今をお話ししたいと思います。

 

■標準サンプル画像

最初に素の写真です。さすが、RX100M7は1インチセンサー搭載の高級コンデジだけあって、撮ってだしレベルでこのような写真が撮れます。ソニーらしさ(=ヌケの良さ、解像感、リアリティ)」といいましょうか、これはこれで、いいんですが(笑)。今回は振り子を真逆に振り、情緒的で印象に残る色味を目指してみたいと思います。

 

■色調の設定はピクチャープロファイルを使うのがミソ

RX100M7には「クリエイティブスタイル」といって、あらかじめ[風景]や[夕景]など、画作りの基礎となる画像スタイルがあらかじめ用意されています。
個別に微調整はできますが、調整範囲は限られていますので、今回はRX100M7の機能のひとつ「ピクチャープロファイル」をいじって、ソニーらしくない色味にチャレンジします。

 

■トーンネーミング:『 陰影(Iniei)- Noir Tone 』

 ライカのような、光を引き立たせるための「圧倒的な黒の美しさ」にフォーカスした名前です。都会のビル群、路地裏、モノクロの一歩手前のような渋い世界観を切り取るための、硬派でドラマチックなルックにふさわしい響きにしました。

 

■『 陰影(Iniei)- Noir Tone 』ピクチャープロファイル・パラメーター値

  • ブラックレベル -8 :黒をガツンと引き締め、写真に強い立体感(芯)を作る
  • ガンマ Cine2 :Cine1より白飛びを抑えつつ、コントラストを高く保つ
  • ブラックガンマ 範囲 [狭]  /  レベル  [-4]:最暗部を急激に落とし込み、ライカらしい深い陰影を作る
  • ニー オート :デフォルトでOK
  • カラーモード Cinema :渋く、落ち着いた発色を選択
  • 彩度 -5 :彩度を大きく下げることで、色の派手さを排しトーンで見せる
  • 色相 +1 :全体にわずかな渋みを加える
  • 色の深さ R [+2], G [0], B [-2], C [0], M [0], Y [+1]
  • ディテール -5 :デジタル感を抑え、フィルムライクな凝縮感を出す
  • この設定での使い道:明暗差の激しい「光と影」がある場所(都市のスナップ、路地裏、窓辺の光など)

 

■『 陰影(Iniei)- Noir Tone 』サンプル写真 
※すべて撮ってだし

『陰影(Iniei)』の設定意図が120%発揮されたと思えた一枚。奥の傘立てからシャドウがグッと沈み込みがベタ塗りにならず絶妙なディテール(質感)が良い仕上がり。

RX100M7の素のクリアさであればもっと現代風に写るところが、完全に昭和〜平成レトロなドキュメンタリー風の絵に化けたという印象です。

 

奥の子供が着ている赤いTシャツが、デジタル特有のギラギラした派手な赤にならず、少し朱色がかった、映画の衣装のような落ち着いた赤で描写。RX100M7の「パキッとした標準の絵」だと、この日差しの強さでは影が真っ黒に潰れがちですが、地面の土の質感やディテールが影の中でもしっかり残っており、「1本の映画のワンシーン」を切り取ったかのような、少しビンテージでロードムービー的な質感です。

 

素で撮ったらネモフィラはもっと鮮やかな水色なはずですが、『 陰影(Iniei)- Noir Tone 』では、少し紫がかった、フェード感のある上品な薄青に転んでいます。これがどこか夢の中のようなノスタルジックさを生み出している感じがします。

ディテールも、RX100M7特有のパキッとした硬さが消え、背景のボケ味へと繋がるグラデーションがオールドレンズのように優しく表現されている感じです。

 

素で撮ったら鮮やかなブルーであるはずの空の青は、シアン(水色)に抜けず、少しグレーやネイビーが混ざったような重厚で深みのあるトーンになりました。白い雲とのコントラストも非常に美しいです。

手前のシャドウにかかった木の葉の緑が、鮮やかすぎず渋いロー(低)彩度に抑えられています。これにより、デジタルっぽさが完全に消えてフィルムライクな仕上がりになりました。

 

■まとめ

ピクチャープロファイルは、「動画専用」と思っていたんですが、とあるブログで静止画でも利用できることを知りチャレンジしてみました。

現在地は試行錯誤の連続で、まだまだ勉強中ではありますが、ピクチャープロファイルの「暗部のトーンコントロール(階調)」と「特定の色相のシフト(色の転ばせ方)」はXXXXライクな色味といったカラーサイエンスの可能性を十分に体現することができました。

今後は、RX100M7(VII)の魅力である現代的で極めてシャープかつクリアな画作りとは対照的な、ピクチャープロファイルが織りなす「エモい写真」(=デジタル特有の硬さを消した日常スナップ用、FUJIFILMやKodakライクなエモい青、、、等)の創作に取り組んでみます。

途中経過ですがご参考になれば嬉しいです。

 

Enjoy!

 

 

 

 

1970年のレンズをα7ⅱにつけて撮ってみた

MC ROKKOR-PF 55mm F1.7 」は、オールドレンズファンの間でも「標準レンズの隠れた名玉」として非常に評価の高い一本。
このレンズは、1966年(昭和41年)に発売。ミノルタの一眼レフの名機「SR-T101」のセットレンズ(標準レンズ)として、世界中で愛用された歴史があります。

本日はα7ⅱでやりたかったオールドレンズ遊びとして、その写りを紹介させていただきます。

所有しているレンズは、1970年(昭和45年)頃に発売された、通称「MCII」型(第2世代)。
この頃は、まだコストダウンの波が押し寄せる前で、鏡筒の細部に至るまで真鍮などの金属が贅沢に使われており、この時代の職人的な設計と、ミノルタ独自のアクロマチック・コーティングが絶妙なバランスで保たれていた世代と言われています。

 

絞りはF8くらいと記憶しています。

想像を裏切る「驚くほどのシャープさ」との印象を受けました。もう少し丁寧にいうと現代のレンズのような「カリカリした硬さ」ではなく、被写体の質感を丁寧に描き出す「実直なシャープさ」ですよね。

手前の草花のボケ方が少し個性的。これが写真に立体感と「散歩の途中にふと足を止めた」という臨場感を与えています。最新レンズならもっと滑らかに消えてしまうところを、あえて質感を残してボケるあたりが、オールドレンズならではの「絵画的な表現」といえるかもしれません。

 

絞り開放(F1.7)だったと思います。

先ほどのF8の写真とは打って変わって、オールドレンズ特有の「甘美な世界観」が溢れ出ていますね。

背景の木漏れ日が作る玉ボケの輪郭が少し強調され、中心から外側に向かって少し流れるような「ぐるぐるボケ」の兆候が見えます。
最新レンズが「いかにボケを均一に消すか」に心血を注ぐのに対し、このレンズは「ボケそのものを絵の主役にする」ような主張があります。このザワつきが、写真にドラマチックな動静を与えている感じがしました。

 

絞り開放(F5.6)だったと思います。

木の根のゴツゴツとした質感、うねりながら地を這う生命力、そして何より光と影が作り出す立体感をうまく描写してくれています。この55mm F1.7は中間域の描き方が非常に丁寧なんですね。

 

ちょっと意地悪に「逆光耐性」の撮影です。

この紫から青にかけての鮮やかなゴースト、そして太陽の周りに広がる光の滲み(フレア)は、まさにアクロマチック・コーティング(いわゆる「緑のロッコール」の多層膜コーティング)が現代の強い光に反応した証しですね。

驚くべきは、これほどの逆光に晒されながら、手前の葉の「緑色」や「枝のディテール」がしっかり残っていることです。

並のオールドレンズだと、画面全体が白っぽく霧がかったようになって(ハレーション)、コントラストが完全に崩壊してしまうところ、この粘り強さこそが、ミノルタが当時「世界に誇った」コーティングの実力だと思い知らされました。※あえて、ノーフードでの撮影です

 

 

 

このバラの描写は、まさに「ミノルタ・ロッコール」ならではのこってりとした色乗りだなぁと感じました。

当時のレンズ設計は、現代ほど「解像度数値」を競っていませんでした。その分、光の波長を贅沢に使い、「色の厚み」を出すことに力が注がれていた時代背景があったそうです。

 

ということで、簡単ですが1970年レンズのインプレッションでした。

最後にオールドレンズというと、「壮大にハレーションがでてエモい写真が撮れる!」、「彩度が薄く、周辺光量がおちた古びた写真」の印象を思い描くかもしれませんが、それは違います。

モノによっては今の時代でも通じる面白い絵が撮れるもの、現代の高性能レンズにはない味わい深さがあり、写真を撮る楽しさを再発見できることをわかっていただけたら嬉しいです。

ちなみに画像はJPEG(色調:スタンダード)の撮ってだしで、いっさいの手を加えておりません。

 

Enjoy!