突然死のイメージ画像をAIで生成(※実際は焦げたりしません)
本日は、とほほなお話しになります。
昨日まで普通に動いていたPCが、ある日突然、電源ボタンを押してもうんともすんとも言わなくなる――。そんな恐ろしい噂話だと思っていた「AMD CPUの突然死」を、なんとわたし自身が経験してしまいました。それは動画編集のさなか。まさに日々の楽しみが完全にストップした瞬間でした。
このブログでは、私が絶望のどん底からどのように原因を特定し、RMA(メーカー保証)を受け、そして二度と再発させないためにどのような予防策をとったのか、実体験ベースで書き留めておきます。
同じ不安を抱えている自作PCユーザーや、今まさにPCが起動しなくなってパニックになっている方の参考になれば幸いです。
1、AMD CPUの「突然死」問題とは?
私の環境で起きたこと。まず、私のPC環境と、その日何が起きたのかを共有します。
CPU: AMD Ryzen 7 9700X
マザーボード: ASRock B850I Lightning WiFi
主な用途: 写真現像、動画編集
トラブルはある日、突然訪れました。前夜まで何の問題もなく動画編集をこなしていたPCが突然フリーズ。 キーボード操作、マウスが全く機能しなくなったこで、やむを得ず電源切断の強制終了。その後、ボタンを押したところ、CPUファンが回るが、画面は真っ黒完全に沈黙。
やばい、これは一大事だぞ、と冷や汗をかきながら
CMOSクリア
USB BIOS Flashback
を祈る気持ちで対応してみましたが、復旧はしない。とりわけ USB BIOS Flashback はFlashボタンを押した直後はLEDがピカピカするが、2-3秒で滅灯と更新が失敗してしまう。→本来はマザーボード上のLEDが点滅、すぐさまUSBのアクセスLEDが点灯が正常
FLASHボタンの下にあるのが四角い切り抜きがBIOS更新の進行を示すLED
そうなんです、「通電はしているようだけどBIOSがポストしない 」という、典型的なAMD CPUの突然死の症状 でした。
昨年、AMDのRyzenシリーズ(特に7000〜9000シリーズやX3D系)では、特定の環境下でCPUやマザーボードのソケットが焼き切れるトラブルが世界的に報告されています。 そのなかでもAsrockのマザーボードは報告件数でいうと断トツナンバーワン。競合他社とのパフォーマンスつば競り合いで「攻め」の姿勢がこうなったんですかね?
ちなみに、この情報は私としては初耳ではなく不安は少しありました。そのため対策バージョンとしてリリースされた(はずの)BIOS 3.5に更新していたんです。 にもかかわらず、、、いやはや、まさか自分の身に起こるとは思ってもみませんでした。そして、メーカーアナウンスを鵜呑みにした「安心は禁物」を学びました。
www.techspot.com
2、 CPUかマザーか?原因特定はPCショップの「簡易診断」に走れ!
画面が映らない時、ユーザーが最初にぶち当たる壁が「CPUとマザーボード、どっちが死んでいるのか?」という問題です。
検証用の予備パーツ(AM5ソケットのCPUやマザー)を個人で持っている人はまずいません。ここで自力で悩むのは時間の無駄。
私はすぐにパーツ一式を引っこ抜いて、ご近所のPCショップ・ドスパラの「簡易診断(500円)」に駆け込みました。
www.itmedia.co.jp
事前に電話で簡易診断のぜひを確認。私はCPUの生き死にチェック、マザーボードはBIOSまで起動できるかの診断を伝えたたところ、電話口で対応してくれた店員さんは心よく引き受けてくれました。
店舗に伺いプロの環境でテストしてもらった結果、「CPUの故障 / マザーボードは大丈夫」と判明。おそらく個人では何日悩んでも分からなかった原因が、ショップの診断のおかげでわずか30分で特定できました。ドスパラさんありがとうございます!
時間の節約、パーツの保証(RMA)を申請するためにも、この「確定診断」は絶対に必要だと思います。
外見からはまったく「死んでいる」とは思えないキレイな状態なんです
3、 RMA(保証申請)のやり方と、代替品が届くまでの「リアルな期間」
原因が特定できたら、購入店の初期不良保証、または正規代理店のサポート窓口へRMA(修理・交換依頼)を申請します。
申請に必要なもの
購入時のレシートまたは領収書(購入証明)
保証シールが貼られた製品パッケージの外箱(シリアルナンバーの記載があるもの)
破損した本体
手続きの流れ
私の場合、外箱に保証書シールと貼られている代理店(アスク) のWEBサイトから製品のシリアル番号や症状、領収書PDFのアップロード、ショップでの診断結果を入力して申請しました。
土日を挟んでしまったので、明日以降、アスクから具体的な手続きの返信があるはずです。 段取りとしては、着払いで現物を発送し、あとは先方での検証と交換品が届くのを待つことになります。
注意する点として、代替品到着までは2~4週間はかかるようです。 わたしの場合、壊れたPCが写真現像・動画編集用に特化したもので作業こそ中断になりますが、普段使い(動画視聴、メールや文書、表計算、WEB検索)は別PCになるので生活には困りません。 もし、PCが一台だったら、と思うと、ぞっとしちゃいますよね。
#追記 交換品の件、アスクさんから案内されていた「2〜4週間」を大幅にショートカットして、発送からわずか数日で届きました。まさに「超大吉」のおみくじを引き当てた気分。アスクさんの迅速な対応に感謝です。
4、【最重要】二度と突然死させないための予防対策
新しく届いたCPUとマザーボードでPCを組み直す際、そのままの設定で起動するのはNGです。 突然死の多くは、マザーボードの初期設定(BIOS)による「過剰な電圧」が原因だからです。 特に動画編集のように、全コアに高い負荷が長時間かかる環境では、以下の3つの対策(BIOS設定)が最も有効な防御策になるようです。
① PBO(自動オーバークロック)を「ECO Mode」にする
マザーボードの初期設定(PBO制限解除)のままだと、動画書き出し時にCPUが限界以上の電力を要求し、一気に高電圧が流れる可能性が拭いきれません。
対策: BIOS(UEFI)画面から、PBO設定を本来の定格である「65W」にするか、AMDが公式にサポートしている「105Wモード」のどちらかに固定します。
理由: CPU性能を極限まで絞り出すような「制限完全解除(Unlimited)」を避け、メーカーの公証内の枠(65Wまたは105W )に収めることで、動画書き出し中の急激な過電圧スパイクを完全にシャットアウトできます。 趣味の動画編集なら、定格の65Wでも十分すぎるほどサクサク動くはずです。
② メモリOC時の「SoC電圧」を手動で固定する(目安1.20V〜1.25V)
EXPOやXMPなどのメモリ高速化設定を「Auto(自動)」のまま有効にすると、CPU内のメモリコントローラー(SoC)に1.3Vを超える危険な電圧がかかることがあります。これが突然死の最大の引き金です。
対策: BIOSの電圧設定(Voltage Configuration)にある「VDDCR_SOC Voltage」 をAutoから「Manual/Fixed」 に変更し、(安全圏内) 1.20V~1.25Vに手動で固定 します。
③ BIOSを常に「最新バージョン」に保つ
AMDや各マザーボードメーカー(ASRockなど)は、この過電圧問題を認識しており、電圧の上限を安全に制限する修正マージン(AGESAコード)を組み込んだ最新BIOSを随時公開しています。
対策: 組み上がったら真っ先にマザーボードの公式サイトへ行き、最新のBIOSへアップデートをかけてください。 ちなみに簡易診断でお世話になったドスパラの技術担当の方も「昔はBIOSアップデートがリスクだったが、いまは、アップデートしないの方がリスク 」とおっしゃっていました。
まとめ:クリエイターのPCは「速さ」より「安定性」
ネットでのベンチマークを見る限り、Ryzen 7 9700Xは、定格やECO Mode(65W)運用であっても、動画編集をサクサクこなせる非常に優秀なワットパフォーマンスを持っています。 無理に数%の性能向上を狙って自動オーバークロックを回し、同じ境遇に見舞われてしまっては元も子もありません。
組みあがったマシンをばらす作業というのも結構ストレスフルなんですよね
「ある日突然起動しなくなる」という絶望を避けるためにも、ぜひ一度ご自身のBIOS設定を見直してみましょう。
みなさんのAMD CPU Ryzenが、今日も明日も元気に動いてくれることを願っています。
Enjoy!