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味噌カレー牛乳ラーメンの謎

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札幌ラーメンといったら「味噌」があまりにも有名。豚骨などを煮出した濃厚なスープに黄色い多加水熟成麺が絡み合う。そんな札幌ラーメンが、海を渡った青森で独自の進化を遂げていることはご存じだろうか。

 

1970年代、北海道の札幌ラーメン横丁で人気のラーメン店「満龍」を営んでいた佐藤清さん(故人)は「全国に、自慢の味噌ラーメンの味を伝えよう」と東京進出を目指す。
途中で降り立った青森があまりに居心地が良く、そのまま青森にて「味の札幌」を開業した。

本店は今や現存しないが、僕が子供ころは母に連れられ良く通った経験がある。青森のラーメンは煮干しがだしの醤油ラーメンが主流だったので、ここで食べる札幌ラーメンは幼少ながら別ジャンルの食べ物で、星5つのうまさだった。「味の札幌」は一般的なラーメンと比べると倍くらいの高い値段設定にも関わらず、店はいつもお客でごった返し、繁盛していた記憶がある。当時は「味噌カレー牛乳ラーメン」は存在せず、醤油、塩、味噌が定番だった。

1970年代の後半だったろうか、友人との間で味の札幌の「牛乳ラーメン」が美味いという噂が広まり、学校の帰りがけに友人と食べにいった。馴染みの味噌味とはかけ離れた不思議な味で、味の札幌はやっぱり味噌が一番と悔やんだ記憶がある。当時は「牛乳ラーメン」や「味噌牛乳ラーメン」、「味噌カレー牛乳ラーメン」などの類は中高生が面白半分でオーダーする裏メニューだった。今考えると、無茶な注文に真面目にこたえていた店主もすごいものだ。
その後、この裏メニューが正式メニューに格上げされ、インターネットの発展とともに情報が拡散され、日本のラーメン通に広まったわけなのである。

 

年に数回、田舎に帰る機会があるごとに、正統派煮干しダシの津軽ラーメンと「味噌牛乳」もしくは「味噌牛乳カレーラーメン」はお約束として胃袋に納めることにしている。それは、食欲を満たすことだけではなく、あー懐かしい、と幼少まで記憶を遡る一瞬でもあるのだ。

 

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